糖尿病と歯周病について
糖尿病は国民的な疾患で、近年激増しているといわれています。日本の糖尿病人口は700万人。40歳以上の10人に一人が罹患している割合です。そして、糖尿病の患者さんでは重症の歯周病(歯槽膿漏)が目立つようです。
糖尿病と歯周病は相互に悪影響をおよぼしあっています。

高血糖が続くと
@だ液の量が減ってきます。
だ液の量が減ると口の中が乾燥し、虫歯や歯周病が発生しやすくなり、またその進行も速くなります。
Aだ液の中のグルコースが増加します。
だ液の中のグルコースは歯垢の形成や付着を促進するため、虫歯や歯肉炎、歯周病が起こりやすくなります。
B白血球機能の低下します。
白血球は細菌の侵入を防ぐ重要な役割を果たしていますが、この機能が低下すると歯周病の原因菌が増殖し、歯周病を進行させます。
C微小血管障害が起こります。
微小血管障害が起こると、血液の循環が悪くなり、細菌に感染しやすくなり、歯周病にかかりやすくなります。
Dコラーゲンの合成を阻害します。
傷が治りにくくなることをいいます。つまり歯周病の治りも悪くなるということです。

次に
歯周病が糖尿病に及ぼす悪影響ですが、
高度に歯周病が進行すると、歯がぐらついたり、噛んだときの痛みのため、思うように食事をとることができず低血糖になることがあります。また、よく噛まないで飲み込むため食事の量の調整が不安定のなることもあります。
また、高度の歯周病は一種に感染症ですので、ケトアシドーシス(昏睡状態)の引きがねになることもあります。

糖尿病の患者さんは以上のことをふまえて、糖尿病のコントロール歯周病のコントロールの両方をやっていく必要があります。
「糖尿病のコントロール」は、お医者さんにまかせるとして、「歯周病のコントロール」は歯医者さんへ行ってブラッシングの指導、歯石の除去等の歯周病の治療、そして定期検診を受けることが重要です。
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