痛い歯の場所の錯覚
歯科の専門用語になりますが歯痛錯誤というのがあります。痛い歯の場所の錯覚するという意味。
たとえば、上の奥歯が痛いと思って来院された方が実は下の奥歯の虫歯が原因だったりすることです。

痛い歯というのは、その場所をしばしば間違える・錯覚する場合があります。痛いと思った歯のとなりの歯が実は虫歯だったなんていうことはしょっちゅうです。

隣の歯の錯覚の次に多いのが上下を錯覚しているパターンですが、これもそんなにめずらしいことではありません。
さすがに左右を錯覚していることはありませんね。

なぜ、このように痛い歯の位置を錯覚してしまうのでしょう?
それは、もともと歯というのは痛みの定位が悪いからです。それと、直接自分の目で自分の歯を見ることができないというのもあるかもしれません。

歯科医師の側としても、上の歯が痛いといって来院されたのに、下の歯を治療するというのは実はなかなか勇気がいります。
患者さんもまさか反対側の歯が原因とは思ってもみなかったわけですからそれはもう当然半信半疑なわけです。それを説得して反対側の歯を治療させていただきます。

そして、治療が終わり、痛みが治ってはじめて患者さんは
「ああ、やっぱり先生の言ったとおりにこっちの歯が原因だったんですねぇ!」と驚かれ、そして納得されます。
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