昔の偉い人の歯痛
昔の哲学者や文学者も歯痛には悩まされたようです。

ノーベル文学賞を受賞したトーマス・マンは、著書『ブッデンブローク家の人々』の中で、マンガの本で気をまぎらわそうとしたり、ステッキの握りの冷たい銀を頬に押し当てて我慢をしたりして「キリを揉みこまれるような、焼けるような激痛」と闘いました。
トーマス・マンは『魔の山』でも『ヴェニスに死す』でも虫歯で悩む人物を登場させています。
これらは、やはりトーマス・マン自身が歯痛に悩まされていたのではないかと想像したくなります。

「人間は考える葦である」の言葉で有名なパスカルは、歯の痛みに耐えかねて、気をそらすために数学の難問に挑戦しました。

シェークスピアは『から騒ぎ』の中で「血や肉でできている人間だ。どんなに神々のような筆つきで論文を書いて、運命や不幸をあざけっていた哲学者だって、歯の痛みを平気で耐えちゃいなかった。」と言っています。
参考資料:講談社現代新書 「漱石の疼痛、カントの激痛」
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